在留証明が“電子化”された日——海外在住者の手続きがぐっと身近に

 

 

こんにちは。行政書士の秋元です。

 

「在留証明書」がオンラインで発行できる時代になりました。

 

それが、2024年から外務省が本格運用を開始した「e在留証明(電子在留証明)です。

 

総領事館に行かなくても、在留証明が取れるようになったのです!

 

e在留証明_見本

 

 


 

 

■ 「e在留証明」とは?

 

従来の在留証明は、在外公館(日本大使館・総領事館)で申請・受取する紙の証明書でした。

 

しかし、今では外務省の「電子証明書交付システム」からオンライン申請・発行が可能になっています。

 

申請完了後に発行されるPDFには、次のような要素が含まれます。

 

☆QRコードまたはURLから真偽確認ができる仕組み

 

☆外務省の電子署名(公的なデジタル印)

 

☆発行日・有効期限・アクセコードによる検証性

 

 

これにより、紙の郵送や領事館への来館が不要となり、世界中どこからでも、スマートフォンやPCで証明書を取得できるようになりました。

 

 


 

 

■ 外務省が掲げる「証明のデジタル化」

 

外務省の公式サイトでは、e在留証明について次のように紹介されています。

 

「在外公館で発行していた証明書のうち、在留証明について、電子的に交付することを可能としました。」

 

このシステムは、在外公館証明の電子化の第一歩として位置づけられています。

 

今後は「署名証明」「婚姻証明」なども段階的に電子化される予定です。

 

 


 

 

■ 電子化で変わること

 

e在留証明の最大のメリットは、「遠く離れた海外からでも、日本の法的手続きをスムーズに進められる」点です。

 

たとえば、

 

☆日本の不動産売買や登記

 

☆相続・遺産分割協議書への添付

 

☆年金・税務・行政手続きへの提出

 

これらの手続きに必要な在留証明が、数クリックで入手・電子提出できるようになったのです。

 

また、PDF形式の電子証明は、

「電子公証」「電子登記」「電子契約」といった他のデジタル行政サービスとの親和性も高く、国際的な手続きのDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押ししています。

 

 


 

 

■ 「電子署名」=信頼の証

 

紙の証明書には朱色の公印が押されていますが、電子版ではその代わりに、外務省の電子署名付きのPDFが発行されます。

 

受け取った側は、QRコードやURLを通じて、「この証明書が本物かどうか」を即時に確認できます。

 

つまり、e在留証明は偽造防止・本人確認の厳格化にも寄与しているのです。

 

 


 

 

■ 海外在住者の「日本の手続き」をもっと自由に

 

「紙の書類を日本に郵送する」「領事館まで数時間かけて行く」——

これまで当たり前だった“手間”が、今ではオンラインで完結します。

 

電子証明は、距離を縮めるテクノロジー。

 

日本に帰らなくても、海外から日本の行政にアクセスできる。

 

e在留証明の導入は、そんな時代の新しい一歩だと感じます。

 

 

注)一部の証明はオンライン申請の対象となっていません。対象となる証明は、各在外公館ホームページを参照ください。

 

 

出典

 

在外公館における電子化した証明書(e-証明書)の発給開始について|外務省

 

証明のオンライン申請・決済について|外務省

 

 

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