【2026年8月20日から変更】特定技能2号の申請が厳格化?企業が知っておきたい5つのポイント

 

こんにちは。行政書士の秋元です。

 

「特定技能1号で5年間働けば、そのまま2号になれるの?」

 

「2号の試験に合格していれば、仕事内容は今までと同じでも大丈夫?」

 

「会社として、何を準備しておけばいいの?」

 

特定技能外国人を受け入れている企業の方の中には、このような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

まず知っておきたいのは、特定技能2号は、特定技能1号で長く働けば自動的に移行できる在留資格ではないという点です。

 

特定技能2号では、分野ごとに定められた試験や実務経験などに加えて、実際に「熟練した技能を必要とする業務」を行っていることが重要になります。

 

そして2026年8月5日、出入国在留管理庁から「2号特定技能外国人の業務内容について」という案内が公表されました。

 

まず知っておきたい重要な点


2026年8月20日以降の在留諸申請では、「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」の提出が必要になります。

 

今回の変更は、単に提出書類が1枚増えるという話ではありません。

 

2号外国人が実際にどのような仕事をしているのか。

 

1号特定技能外国人や他の従業員と、どのような役割の違いがあるのか。

 

企業側でも、実際の仕事内容をあらためて整理しておくことが重要になります。

 

今回の主なポイント

  • 2026年8月20日以降、新しい誓約書の提出が必要になる
  • 試験合格だけでなく、実際の仕事内容との整合性が重要になる
  • 分野によっては、指導する従業員についても確認が必要になる
  • 特定技能2号に「在留期間5年」を追加する改正案が公表されている
  • 虚偽記載や実態との違いは、企業側にも影響する可能性がある

 

変更点1 「試験に合格すれば2号」ではありません

 

特定技能2号を目指すうえで、まず注意したいのが、試験に合格することと、在留資格変更が許可されることは同じではないという点です。

 

特定技能2号では、1号よりも高い技能水準が求められます。

 

分野によっては、自分自身が熟練した作業を行うだけでなく、他の従業員への指導や、工程・作業の管理などを行うことも想定されています。

 

そのため、

「2号の試験に合格したので、仕事内容は1号のときとまったく同じでよい」

とは限りません。

 

肩書だけ「リーダー」にしても十分ではありません

 

例えば、社内で「主任」「班長」「リーダー」という役職を付けていても、実際には他の従業員と同じ作業だけをしているケースがあります。

 

重要なのは役職名ではなく、実際にどのような役割を担当しているかです。

 

注意

「リーダーという肩書を付ければ大丈夫」「2号試験に合格しているから大丈夫」とは限りません。

申請書に記載する仕事内容と、実際の勤務内容が一致していることが大切です。

 

書類と現場の内容が合っているか確認しましょう

 

特に確認しておきたいのは、次のような資料です。

  • 雇用契約書
  • 労働条件通知書
  • 2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書
  • 組織図
  • 職務記述書
  • 実際の現場で担当している仕事

 

例えば、申請書には「作業員への指導や工程管理を担当している」と書いているのに、現場ではそのような業務をまったく行っていない場合には、説明が難しくなります。

 

1号のときの仕事内容を、そのまま2号申請でも使ってよいのか。

 

一度確認しておくことをおすすめします。

 

変更点2 「誰を指導しているのか」も重要になります

 

新しい誓約書では、分野や業務内容に応じて、2号外国人から指導を受ける従業員について確認する項目があります。

 

ここで、

「会社に後輩の特定技能外国人がいないと、2号にはできないの?」

 

と心配される企業もあるかもしれません。

 

指導対象者については、外国人だけを前提に考えるのではなく、実際の職場で誰に対して指導を行っているのかを整理することが大切です。

 

日本人従業員を含め、実際の組織や業務内容を踏まえて確認することになります。

 

注意

申請のためだけに、実際には指導していない従業員の名前を書くことは避けましょう。

「誰に」「どのような仕事を」「どのように指導しているのか」を、実際の職場の状況に基づいて説明できることが重要です。

 

小規模な事業所ほど早めに確認を

 

分野によって、求められる指導・管理の内容は異なります。

 

そのため、従業員数の少ない事業所では、2号候補者本人が試験などの要件を満たしていても、周囲の人員配置について確認が必要になる場合があります。

 

試験に合格してから慌てて社内体制を変更するのではなく、

  • 将来、誰を指導してもらうのか
  • どのような役割を任せるのか
  • どこまで責任を持ってもらうのか

 

を、1号の段階から考えておくと安心です。

 

特定技能2号への移行、準備できていますか?

「自社の仕事内容で2号を申請できる?」
「指導する従業員の配置がこれでよいか分からない」
「1号のうちから2号移行の準備をしたい」

特定技能2号は、外国人本人の試験や経験だけでなく、受入れ企業側の仕事内容や社内体制も重要になります。

申請直前ではなく、早めに確認しておくことをおすすめします。

 

変更点3 特定技能2号に「在留期間5年」を追加する改正案

 

もう一つ注目されているのが、特定技能2号の在留期間です。

 

2026年8月4日、特定技能2号について、現在の在留期間に加えて、新たに「5年」を設ける省令改正案が公表されました。

 

特定技能2号は、通算の在留期間に上限がありません。

 

今後、1回の在留期間として「5年」が追加されれば、更新手続の回数を減らせる可能性があり、外国人本人・企業の双方にとってメリットが期待されます。

 

誤解しないようにしましょう

2026年8月13日現在、「5年」はまだ省令改正案の段階です。

すでに特定技能2号の在留期間として5年が施行されているわけではありません。

今後の正式な公布・施行内容を確認する必要があります。

 

「5年になれば必ず5年もらえる」という意味でもありません

 

仮に5年の区分が正式に追加された場合でも、すべての特定技能2号外国人に必ず5年の在留期間が付与されるとは限りません。

 

実際に認められる在留期間は、個々の在留状況などを踏まえて審査されます。

 

また、永住申請を考えている方にとっても注目すべき変更ですが、

「在留期間5年が出た=永住許可がもらえる」という意味ではありません。

 

永住許可では、在留期間のほかにも、収入、税金、年金、健康保険料、在留状況など、さまざまな事情が確認されます。

 

変更点4 介護分野には「特定技能2号」がありません

 

「介護の特定技能外国人も、1号の5年が終わったら2号になれますか?」

 

こちらもよくある質問です。

 

現在、介護分野は特定技能2号の対象にはなっていません。

 

介護分野には、別に在留資格「介護」という長期就労のルートがあります。

 

介護福祉士の資格を取得するなど、必要な要件を満たした場合には、在留資格「介護」への変更を検討できます。

 

介護分野の方は早めに将来の在留資格を考えましょう

特定技能1号の5年が終わる直前になってから考えるのではなく、介護福祉士国家試験や在留資格「介護」への移行を見据えて準備しておくことが大切です。

 

変更点5 虚偽の誓約は企業側にも大きなリスクがあります

 

今回の変更で、企業側が特に注意したいのが、誓約書に書いた内容と実際の勤務状況が違うケースです。

 

例えば、

  • 実際には指導していない従業員を指導対象者として記載する
  • 実際には一般作業だけなのに、工程管理をしていると記載する
  • 申請のためだけにリーダーという肩書を付ける
  • 実際にはない指導実績を記載する

 

といった対応は避けなければなりません。

 

注意

申請内容と実際の業務に大きな違いがある場合には、外国人本人の在留資格だけでなく、受入れ企業側の今後の特定技能外国人の受入れにも影響する可能性があります。

「書類を2号らしく作る」のではなく、「実際の仕事に合わせて書類を作る」ことが大切です。

 

これから特定技能2号を目指す企業が確認したいこと

 

2号への移行を考えている外国人がいる場合は、次の点を一度確認してみましょう。

  • 2号候補者が実際に担当する仕事内容を説明できるか
  • 1号外国人や他の従業員との役割の違いを説明できるか
  • 誰にどのような指導をしているのか整理できているか
  • 分野ごとの2号要件を確認しているか
  • 組織図と実際の職場の関係が一致しているか
  • 肩書だけでなく、実際に責任ある仕事を任せているか
  • 雇用契約書や労働条件通知書と現場の実態が一致しているか
  • 必要な試験や実務経験を確認しているか
  • 1号の段階から2号への育成計画を考えているか

 

日頃から「指導実績」を残しておくのもおすすめです

 

新人への作業教育、安全確認、品質チェック、作業指示、工程調整、後輩への技術指導などを行っている場合には、日頃から簡単に記録を残しておくとよいでしょう。

 

これは在留資格申請のためだけではありません。

 

本人がどの程度リーダーとして成長しているのかを、会社として確認するためにも役立ちます。

 

よくある質問

 

Q.特定技能1号で5年間働けば、自動的に2号になれますか?

A.いいえ。

特定技能2号は、1号で5年間働いたことだけで自動的に取得できる在留資格ではありません。

 

分野ごとに定められた技能試験や実務経験などの要件を満たし、2号として認められる業務に従事する必要があります。

 

Q.指導する相手は外国人でなければいけませんか?

A.外国人だけを前提に考える必要はありません。

実際の職場で誰に対して指導を行っているのかが重要です。

 

ただし、必要となる指導内容や人数などは分野・業務区分によって異なるため、事前に最新の基準を確認することをおすすめします。

 

Q.「主任」「リーダー」という肩書を付ければ2号にできますか?

A.肩書だけでは十分とはいえません。

実際に2号として求められる業務を担当しており、その役割や責任を具体的に説明できることが重要です。

 

Q.2号試験に合格すれば、必ず許可されますか?

A.試験合格だけで許可が保証されるものではありません。

技能・実務経験の要件だけでなく、雇用内容、実際の仕事内容、受入れ企業側の要件なども含めて審査されます。

 

まとめ|2号候補者を「現場の中核人材」として育てることが大切です

 

2026年8月20日以降、特定技能2号に関する在留諸申請では、新たに「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」の提出が必要になります。

 

今回の変更で重要なのは、単に書類が増えることではありません。

 


「何年働いたか」だけではなく、「どのような役割を任される人材に成長したか」を、企業側でも整理しておくことが大切です。

 

2号申請の直前になって役職や仕事内容を変更するのではなく、1号の段階から、

  • 将来、誰を指導してもらうのか
  • どのような仕事を任せるのか
  • どこまで責任を持ってもらうのか
  • どのような現場リーダーに育てるのか

 

を考えておくことをおすすめします。

 

外国人材を単なる人手不足の補充としてではなく、長く会社を支える中核人材として育てていく。

 

今後の特定技能2号では、その視点がますます重要になってくると考えられます。

 


 

エール行政書士法務事務所

 


特定技能2号への変更や、外国人雇用のお悩みは早めにご相談ください

 

「自社の仕事内容で特定技能2号を申請できるのか確認したい」

 

「新しい誓約書をどのように作ればよいか分からない」

 

「1号のうちから、2号への移行準備を進めたい」

 

このような場合は、お気軽にご相談ください。

 

外国人本人の要件だけでなく、受入れ企業側の仕事内容や組織体制、必要書類なども確認しながらご案内いたします。

 


在留資格・外国人雇用・各種許認可でお困りの方は、
エール行政書士法務事務所までお気軽にご相談ください。

状況に応じて、必要な手続や注意点を丁寧にご案内いたします。

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出典:


出入国在留管理庁「特定技能制度」


出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」


出入国在留管理庁「特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)」


e-Govパブリック・コメント「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案」

 

※本記事は2026年8月13日時点で公表されている情報をもとに作成しています。制度、必要書類、審査運用、省令改正の内容・施行時期等は変更される可能性があります。実際の申請時には最新情報をご確認ください。