デジタル遺言書とは?オンラインで完結する新しい遺言のしくみ(民法改正・要綱案をやさしく解説)

 

こんにちは。行政書士の秋元です。

最近ニュースで「デジタル遺言書」「オンラインで完結」という言葉を見かけた方も多いと思います。

これは、遺言の作り方を“デジタル技術を活用した形”へアップデートしようという民法改正の検討です。

 


 

この記事でわかること
  • 「デジタル遺言書」って結局なに?(イメージ)
  • 新しく増える遺言の方式(要綱案ベース)
  • “ラクになりそうな点”と“注意したい点”
まず結論:「デジタル遺言書」は“スマホでメモして終わり”ではありません

報道では「デジタル遺言書」という言い方がされていますが、要綱案(案)を見ると、ポイントは「デジタル作成を“法的に有効な方式”として整える」ことです。

1)何が変わる?—「保管証書遺言」という新しい方式が追加される案

要綱案(案)では、これまでの遺言の方式(自筆証書・公正証書・秘密証書など)に加えて、「保管証書」という方式を新設する方向が示されています。

イメージ:
作った遺言を法務局の「遺言書保管官」の関与のもとで確認し、保管されてはじめて効力が生じる、という設計です。
2)“オンラインで完結”ってどこまで?(要綱案のポイント)
  • 申請はオンラインも想定(電子情報処理組織を使う方法/書面提出の併用が想定)
  • 本人確認は原則「出頭」だが、事情があれば映像・音声での確認もできる案
  • 遺言の内容の確認(口述)も、事情があれば映像・音声で実施できる案
※報道でも「手続きもオンラインで完結できる」と伝えられていますが、実際の運用は法務省令などで細部が決まる領域が多く、今後の確定情報の確認が大切です。
3)デジタル化で期待される“うれしい点”
  • 「作ったのに無効だった…」リスクが減りやすい(保管官の関与+保管が前提の設計)
  • 遠方・多忙・体調面のハードルが下がる可能性(映像・音声の活用が想定
  • 相続後の手間が軽くなる可能性(保管されている保管証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要とする案)
4)ここは注意!「デジタル=自由に書けばOK」ではない
注意ポイント
・要綱案(案)の段階であり、法律として成立・施行するまで内容が変わる可能性があります。
・電磁的記録の場合は、電子署名など「署名に代わる措置」が法務省令で定められる想定です。
・「オンラインで完結」の具体像(どんな場合にOKか等)は、運用のルール次第です。
5)あわせて検討されている見直し(押印要件など)

要綱案(案)では、「デジタル遺言(保管証書)」だけでなく、既存の遺言の押印要件の見直しなども盛り込まれています。

  • 自筆証書遺言:財産目録の毎葉押印、変更時の押印などを廃止する案
  • 秘密証書遺言:遺言者・証人の押印要件を廃止する案
まとめ:遺言は「残す気持ち」を、ちゃんと効力ある形にする時代へ

デジタル遺言書の話題は、「便利そう!」で終わりがちですが、要綱案(案)を見る限り、方向性は“手軽さ”と“確実さ(有効性・安全性)”を両立させる設計です。
今後、制度が確定していく中で、一般の私たちにとって「遺言がもっと身近になる」可能性が高いテーマだと言えます。

※本記事は参照先に基づく一般的な情報提供です。制度は今後変更・更新される可能性があります。

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エール行政書士法務事務所 代表行政書士 秋元志保
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