【2026年6月開始】特定在留カードとは?在留カードとマイナンバーカード一体化で変わる5つのポイント

こんにちは。

申請取次行政書士の秋元です。

在留資格の更新手続きを終えて、新しい在留カードを受け取ったあと、今度は市区町村の窓口へ行ってマイナンバーカードの手続きをする。

このような「二度手間」に、不便さを感じていた外国人の方は多いのではないでしょうか。

また、外国人を雇用している企業の人事担当者の方にとっても、在留カードの確認や更新時期の管理は、とても重要な実務です。

2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した「特定在留カード」の制度が始まりました。

便利になる一方で、カードの券面に表示される情報が変わるなど、これまでとは異なる注意点もあります。

特に企業の採用・人事実務では、在留カードの確認方法を見直す必要が出てくる可能性があります。

この記事のポイント

  • 特定在留カードは、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化したカードです。
  • 取得は任意であり、必ず1枚にまとめる必要はありません。
  • 新様式の在留カードでは、券面から一部の情報が削除されます。
  • 2026年6月23日時点では、ICチップを読んでも「在留期間」は表示されないとされています。
  • 外国人雇用をしている企業では、在留カード確認方法の見直しが必要です。

特定在留カードとは?

特定在留カードとは、簡単にいうと、在留カードにマイナンバーカードとしての機能を加えたカードです。

これまで、在留カードとマイナンバーカードは別々のカードでした。

そのため、在留期間更新許可や在留資格変更許可を受けて在留カードの内容が変わった場合、マイナンバーカード側の情報についても、市区町村で別途手続きが必要になることがありました。

特定在留カードで期待されること

  • 在留カードとマイナンバーカード機能を1枚にまとめられる
  • 一部の手続きで、市区町村窓口へ行く負担が減る
  • 外国人本人の利便性が高まる
  • 行政手続の効率化につながる

ただし、ここで大切なのは、特定在留カードの取得は義務ではないという点です。

希望しない場合は、これまでどおり在留カードとマイナンバーカードを別々に持つこともできます。

 

ポイント1 市区町村での「二度手間」が減る

特定在留カードの大きなメリットは、手続きの一元化です。

たとえば、マイナンバーカードを持っている中長期在留者が、地方出入国在留管理局で在留期間更新許可や在留資格変更許可を受ける場合があります。

これまでは、在留カードの更新とは別に、マイナンバーカード側の手続きのため、市区町村の窓口へ行く必要が生じることがありました。

手続き負担が軽くなる可能性があります

特定在留カードの交付を受ける場合、地方出入国在留管理局での手続きにあわせて、マイナンバーカード機能にも最新情報が記録されるため、一定の場合には市区町村窓口での別途手続きが不要になります。

外国人本人にとっては、平日に何度も役所へ行く負担が減る可能性があります。

企業側にとっても、従業員からの相談対応や手続き案内が整理しやすくなるでしょう。

注意点

すべての手続きが入管だけで完結するわけではありません。

住居地の届出など、引き続き市区町村で行う手続きもあります。「特定在留カードにすれば、役所の手続きが全部なくなる」という意味ではないため注意しましょう。

ポイント2 取得は任意。必ず1枚にまとめる必要はない

特定在留カードは便利な制度ですが、取得は任意です。

つまり、外国人の方全員が必ず特定在留カードにしなければならないわけではありません。

希望しない場合は、在留カードとマイナンバーカードを別々に持ち続けることができます。

よくある誤解

  • 2026年6月から、全員が特定在留カードにしないといけない
  • 今持っている在留カードは、すぐに使えなくなる
  • マイナンバーカードを持っていないと在留資格に影響する

このような制度ではありません。

現在持っている在留カードは、有効期間内であれば引き続き使用できます。

特定在留カードにするかどうかは、利便性とリスクを考えて選ぶことになります。

ポイント3 カード券面から一部の情報が消える

今回の制度変更で、実務上とても重要なのが、カード券面に表示される情報の変更です。

2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カードでは、これまで券面に記載されていた一部の情報が、カード表面に表示されなくなります。

項目 新様式での扱い 注意点
在留期間 券面に表示されない 「1年」「3年」「5年」などの期間そのもの
許可の種類 券面に表示されない 更新許可・変更許可など
許可年月日 券面に表示されない いつ許可されたか
交付年月日 券面に表示されない カードが交付された日

ここでいう「在留期間」とは、「1年」「3年」「5年」など、許可された在留期間そのものを指します。

なお、在留期間の満了日、つまり「いつまで在留できるか」は券面に表示されます。

そのため、在留期限そのものがまったく確認できなくなるわけではありません。

ただし、「何年の在留期間が付与されたのか」は、券面だけでは確認できなくなります。

また、この変更は、マイナンバーカード機能を持つ「特定在留カード」だけの話ではありません。

特定在留カードにしない場合に交付される、マイナンバーカード機能のない新様式の在留カードについても、同じように券面記載事項が変更されます。

重要:現在はICチップを読み取っても在留期間を確認できない

ここは特に注意が必要です。

新様式の在留カードでは、券面に「在留期間」が表示されません。

そのため、「ICチップを読み取れば確認できるのでは?」と思う方も多いと思います。

2026年6月23日時点の重要情報

出入国在留管理庁は、在留カード等読取アプリケーションで読み取っても、在留期間の情報は表示されないと公表しています。

つまり、現時点では、券面でも、在留カード等読取アプリケーションでも、「在留期間」は確認できないことになります。

これは、外国人本人にとっても、行政書士などの専門職にとっても、企業の人事担当者にとっても重要な点です。

特にオンライン申請では、在留期間が必須入力項目となる場合があります。

在留期間を確認する方法

現在の運用では、在留期間を確認する必要がある場合、住民票に記載された在留期間を確認することが案内されています。

なお、出入国在留管理庁は、在留カード等読取アプリケーションの改修を進めており、2026年9月を目途に、在留期間、許可の種類、許可年月日を含めた項目を表示できるようにする予定としています。

ただし、この記事作成時点では、まだアプリで確認できる状態ではありません。

そのため、新様式の在留カードを受け取った方は、在留期間、許可の種類、許可年月日などを、許可時の通知書類や住民票などで確認できるよう、記録を残しておくことをおすすめします。

外国人を雇用する企業が注意すべきこと

外国人を雇用する企業では、在留カードの確認方法を見直す必要があります。

これまでは、在留カードの券面を見て、在留資格、在留期限、就労制限の有無などを確認していた企業も多いと思います。

しかし、新様式の在留カードでは、券面から一部の情報が削除されます。

また、2026年6月23日時点では、在留カード等読取アプリケーションで読み取っても、在留期間の情報は表示されません。

社内で確認したい項目

  • 在留カードの券面で、在留資格・在留期間の満了日・就労制限の有無を確認する
  • 在留カード等読取アプリケーションでカードの真正性を確認する
  • 必要に応じて住民票などで在留期間を確認する
  • 確認した日付、確認者、確認方法を記録する
  • 在留期限の管理表を作成する

外国人を雇用する場合、在留資格と業務内容が合っているか、就労が可能な在留資格か、資格外活動許可が必要なケースでは許可を受けているかなどを確認する必要があります。

確認が不十分なまま就労させてしまうと、不法就労助長の問題につながる可能性があります。

企業担当者の方へ

「コピーを取ったから大丈夫」「前に確認したから大丈夫」という管理では、今後リスクが高くなる可能性があります。

特に、在留期限が近い従業員については、更新申請の状況や許可後の新しいカード情報を、社内で適切に管理することが大切です。

ポイント4 紛失すると手続きが増える可能性がある

特定在留カードは、1枚で在留カードとマイナンバーカードの両方の機能を持つカードです。

日常生活では便利ですが、紛失した場合の影響は大きくなります。

特定在留カードをなくした場合、在留カードとしての再交付手続きだけでなく、マイナンバーカード機能についても一時利用停止などの対応が必要になります。

また、紛失後にすぐ特定在留カードが再交付されるわけではなく、まず通常の在留カードの再交付を受け、その後、改めて特定在留カードへの切替手続きを行う流れになる場合があります。

紛失時の注意点

1枚にまとめることで日常の管理は楽になりますが、紛失時には両方の機能に関する対応が必要になります。外出が多い方、カードを日常的に持ち歩く方、小さなお子さまのカードを管理するご家庭では、保管方法にも注意が必要です。

ポイント5 交付まで通常より時間がかかる

特定在留カードは、通常の在留カードに比べて、交付までに時間がかかる点にも注意が必要です。

通常の在留カードであれば、手続き内容や入管の運用によっては、許可時に即日交付されることがあります。

一方、特定在留カードはマイナンバーカード機能の記録などが関係するため、通常の在留カードよりも交付までに時間がかかるとされています。

スケジュールに注意

出入国在留管理庁の案内では、通常の在留カードと比べて、交付まで10日ほど長くかかるとされています。

また、新規上陸時に空港で特定在留カードを受け取ることはできません。

空港では通常の在留カードが交付され、その後、必要に応じて特定在留カードへの切替を検討することになります。

在留期限が近い方は、特に注意が必要です。

更新申請を期限ギリギリに行うと、カードの交付時期やマイナンバーカード機能の有効期間との関係で、思わぬ不便が生じる可能性があります。

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請は、できるだけ余裕を持って準備しましょう。

特例期間中のマイナンバーカード機能にも注意

在留期間更新許可申請などをしている間に、もともとの在留期限を過ぎることがあります。

この場合、一定の条件のもとで「特例期間」として在留が継続できる場合があります。

しかし、特定在留カードを持っていても、マイナンバーカード機能の有効期間が自動的に延長されるとは限りません。

見落としやすい注意点

本来の在留期限の満了日までに、市区町村でマイナンバーカード機能に係る有効期間の変更手続きが必要になる場合があります。

「特定在留カードにしたから、全部自動で延長される」と思い込まないようにしましょう。

在留期限が近づいている方は、入管手続きだけでなく、マイナンバーカード機能の有効期間についても確認しておくと安心です。

永住者・高度専門職2号は有効期間が変わる

永住者や高度専門職2号の方にとっては、在留カードの有効期間の変更も重要です。

永住者は在留期間そのものは無期限ですが、在留カードには有効期間があります。

対象者 年齢 新制度の有効期間
永住者・高度専門職2号 18歳以上 交付の日後の10回目の誕生日まで
永住者・高度専門職2号 18歳未満 交付の日後の5回目の誕生日まで

これまでより有効期間が長くなる方もいますが、更新手続きが不要になるわけではありません。

永住者の方でも、カードの有効期間を確認し、期限前に更新手続きを行う必要があります。

よくある質問

Q. 特定在留カードは必ず作らないといけませんか?

いいえ。取得は任意です。希望しない場合は、在留カードとマイナンバーカードを別々に持ち続けることができます。

Q. 今持っている在留カードは使えなくなりますか?

すぐに使えなくなるわけではありません。現行様式の在留カードは、有効期間内であれば引き続き使用できます。

Q. 特定在留カードは空港でもらえますか?

空港では受け取れません。新規上陸時には、空港で通常の在留カードが交付されます。特定在留カードを希望する場合は、入国後の手続きで検討することになります。

Q. 新様式の在留カードでは、在留期間はどこで確認できますか?

2026年6月23日時点では、新様式の在留カードの券面に在留期間は記載されていません。

また、在留カード等読取アプリケーションで読み取っても、在留期間の情報は表示されないとされています。在留期間を確認する必要がある場合は、住民票に記載された在留期間を確認することが案内されています。

Q. 会社は在留カードのコピーだけ取っておけば大丈夫ですか?

コピーを取るだけでは不十分となる可能性があります。

在留資格、在留期限、就労制限の有無、資格外活動許可の有無などを確認し、確認日や確認方法を記録しておくことが大切です。

Q. 特定在留カードをなくした場合はどうなりますか?

マイナンバーカード機能と在留カード機能の両方について対応が必要になります。マイナンバーカード機能については一時利用停止、在留カードについては警察への届出や地方出入国在留管理局での再交付申請が必要になります。

まとめ

2026年6月から始まった特定在留カードは、外国人住民の手続き負担を軽くする大きな制度変更です。

在留カードとマイナンバーカードの機能が1枚にまとまることで、これまで必要だった市区町村での手続きが一部不要になり、利便性が高まることが期待されます。

一方で、新様式の在留カードでは、券面から「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」などが削除されます。

さらに、2026年6月23日時点では、在留カード等読取アプリケーションで読み取っても、在留期間の情報は表示されません。

在留期間を確認する必要がある場合は、住民票などで確認する必要があります。

外国人本人の方は、ご自身の生活スタイルや手続きのしやすさに合わせて、1枚にまとめるか、2枚持ちを続けるかを検討しましょう。

外国人を雇用する企業では、2026年6月以降の在留カード確認方法について、採用時・更新時の社内ルールを見直しておくことをおすすめします。

※本記事は、2026年6月23日時点で公表されている情報をもとに作成しています。制度の運用やアプリの表示項目は、今後変更・更新される可能性があります。

参考・引用元

出入国在留管理庁
「特定在留カード交付申請について」
https://www.moj.go.jp/isa/tokutei.html

出入国在留管理庁
「在留カードとマイナンバーカードの一体化Q&A」
https://www.moj.go.jp/isa/11_00051.html

出入国在留管理庁
「【重要】新様式の在留カードに係る在留期間の確認方法について」
https://www.moj.go.jp/isa/11_00106.html

出入国在留管理庁
「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html

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