【出入国在留管理庁】クルド人男性難民認定の判決確定へ
こんにちは。申請取次行政書士の秋元です。
トルコ国籍の20代のクルド人男性の難民不認定処分を取り消し、確定した札幌高裁判決を受け、出入国在留管理庁が男性を難民と認定する方向で調整していることが12日、政府関係者への取材で分かりました。
全国難民弁護団連絡会議事務局によると、トルコ国籍のクルド人が難民認定されるのは初めてとのことです。
今年5月の札幌高裁判決によると、男性は2014年に来日。
難民認定申請は18年に退けられ、この不認定処分の取り消しなどを求めて提訴していました。
一審の札幌地裁判決は請求を棄却しましたが、高裁は男性がトルコでクルド人独立を目指す組織のメンバーに食料を提供したことで軍などから拷問を受けており「迫害の恐怖を抱く客観的事情がある」と指摘し、難民に当たると判断しました。
★国は適切に難民認定を★
2022年5月13日、2021年の難民認定者数等が出入国在留管理庁より発表されました。
難民認定者は過去最多の74人となる一方で、難民不認定とされた人の数は1万人を超えており(一次審査・審査請求の合計)、難民として認定されるべき人が認定されない状況が続いています。
※出入国在留管理庁発表資料「令和3年における難民認定者数等について」
難民受け入れに対する日本社会の関心の高まりを機に、適切な難民認定を行うための法律や運用の見直しが行われる必要があります。
現在日本には、様々な国や地域から紛争や迫害を逃れ、難民として保護を求めている人々がいます。
難民受け入れに向けた社会の関心の高まりや政治的意思を土台とし、難民認定制度の改善や、庇護を希望する全ての人を包括した支援制度の確立につなげる必要があるのではないでしょうか。