【改正民法】「嫡出推定」~明治の施行後初、無戸籍問題解消へ~
こんにちは。行政書士の秋元です。
子が生まれた時期から父親を推定する「嫡出推定」制度を見直す改正民法が10日の参院本会議で可決、成立しました。
「嫡出推定」の見直しは、1898(明治31)年の民法施行以来、初めて行われました。
離婚後300日以内に生まれた子を前夫の子とする規定は維持する一方、女性が出産時点で再婚していれば現夫の子とする例外が設けられました。
女性の100日間の再婚禁止期間は撤廃されます。
これにより、離婚直後に別の男性との子を産んだ女性が、出生届を出さない「無戸籍者」問題の解消が期待されます。
嫡出推定を覆すことができる「嫡出否認」は、現行の父親だけではなく母親や子にも認め、訴えが可能な期間は1年以内から3年以内に延長されます。
2024年夏までに施行されます。
改正民法では、親が子を戒める「懲戒権」を児童虐待防止の観点から削除しました。
「体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動」の禁止を明記しています。
懲戒権の削除は、公布日から施行されます。
法務省の調査によると、11月現在で確認された無戸籍者793人のうち、7割以上に当たる581人が、無戸籍になった原因に「現行の嫡出推定の規定」を挙げているそうです。
前夫との婚姻期間中に妊娠しても、再婚後に生まれた子は現夫の子となる例外規定が設けられた今回の改正は、より現実に即したものといえるのではないでしょうか。