【2023年4月施行の民法改正点⑤】「相続土地の国庫帰属制度」の創設

 

こんにちは。行政書士の秋元です。

 

私たちの生活に大きく関係する法律である民法が改正され、今年の4月から順次施行されます。

 

その中でも、特に注目されている改正点をお知らせしたいと思います。

 

 

 

⑤「相続土地の国庫帰属制度」の創設

 

 

空き家に加え、所有者不明土地が増えている要因は相続にあります。

 

 

住まいや生活拠点が遠い場合や、売却・利活用がしにくい土地は、相続後も放置されがちです。

 

 

そこで、相続や遺贈で土地を取得した人は、その土地を手放して国庫に帰属させることが可能になる制度ができました。

 

希望者は法務局に申請し、手続きをします。

 

基本的に建物や工作物がある土地は認められず、土壌汚染や埋設物がある土地も対象外です。

 

境界が明らかで、担保権の設定もないなどの条件もあります。

 

承認されると10年分の土地管理費相当である負担金の納付も必要ですが、相続した土地で悩んでいる人は注目したい制度です。

 

 

《手続きの流れ》

 

①承認申請: 申請権者は、相続または遺贈により土地を取得した人

 

②法務局による書面審査・実地調査:

 

土地は建物や工作物がなく土壌汚染や埋設物もない、担保権の設定がないなど、一定の条件があります

③法務大臣による承認

 

④負担金の納付 30日以内:

 

10年分の土地管理費相当額で通常20万円。

ただし、市街化区域など一部の宅地や田畑、 森林は面積に応じた算定金額となります

⑤国庫へ帰属

 

 

※申請時には実費等を考慮した審査手数料の納付が必要です。

 

出典:法務省民事局資料

 

『法務省民事局のパンフレット』

001381764.pdf (moj.go.jp)