【令和8年2月・3月公表】在留資格の審査期間はどれくらい?東京入管の実務感と不許可リスクを行政書士が解説

こんにちは。

申請取次行政書士の秋元です。

「在留資格の申請をしたけれど、なかなか結果が出ない」

「更新や変更の許可はいつ頃出るのか不安」

「自分で申請して不許可になってしまった」

「不許可後に、もう一度申請できるのか知りたい」

 

このようなご相談をいただくことが増えています。

 

出入国在留管理庁から、令和8年2月許可分・令和8年3月許可分の在留審査処理期間が公表されました。

 

今回は、公表された審査期間のデータをもとに、在留資格ごとの審査期間の傾向と、東京で申請を扱う行政書士として感じている実務上の注意点を解説します。

 

ご注意ください。

今回のデータは全国平均です。

当事務所は東京での申請を中心に扱っているため、実際の体感としては、公表されている平均日数よりも時間がかかっていると感じる場面があります。

また、この記事で述べる実務感は、あくまで当事務所の取扱い案件やご相談内容を踏まえた感想です。

申請先、在留資格、個別事情によって結果や審査期間は異なりますので、その点はご承知おきください。

 

この記事のポイント

  • 公表データは全国平均であり、東京の実務感とは差があることがあります。
  • 永住申請や経営・管理ビザは、特に審査が長期化しやすい傾向があります。
  • ご自身で申請して不許可となった後のリカバリーは、簡単ではありません。
  • 東京では、不許可後に「特定活動30日(出国準備)」が出るケースが増えている印象があります。
  • 申請前にリスクを整理し、必要な説明資料を準備することが重要です。

 

令和8年2月・3月の在留審査処理期間が公表されました

 

今回公表された資料では、在留資格ごとに、主に次の申請類型について処理期間が示されています。

 

  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 永住許可申請

 

代表的な在留資格について、令和8年2月許可分・令和8年3月許可分の処理期間を整理すると、次のようになります。

 

在留資格 申請類型 令和8年2月 令和8年3月 実務上の印象
技術・人文知識・国際業務 認定証明書交付 71.8日 69.7日 カテゴリーにより差が大きい
技術・人文知識・国際業務 在留期間更新 33.9日 35.0日 比較的早いこともあるが油断は禁物
技術・人文知識・国際業務 在留資格変更 51.3日 65.1日 内容次第で長期化することも
経営・管理 認定証明書交付 152.7日 161.6日 かなり長期化しやすい
経営・管理 在留資格変更 127.7日 132.8日 事業計画・会社実体の説明が重要
永住者 永住許可申請等 275.6日 282.0日 9か月前後、またはそれ以上も想定

※上記は公表資料に基づく日数を抜粋・整理したものです。個別案件の審査期間を保証するものではありません。

 

公表データは「全国平均」。東京の実務感とは差があることも

 

まず注意したいのは、公表されている処理期間は全国平均であるという点です。

 

東京出入国在留管理局で申請している案件については、実際の体感と異なることがあります。

 

東京で申請する場合の注意点

当事務所の実務上の感覚としては、東京はとにかく時間がかかる印象です。

もちろん、すべての案件が遅いというわけではありません。在留資格の種類、申請内容、所属機関の規模、提出書類の内容、過去の在留状況などによって、審査期間は大きく変わります。

 

ただ、東京で申請する場合には、公表されている平均日数だけを見て、次のように判断してしまうのは注意が必要です。

 

  • 「このくらいで結果が出るはず」
  • 「まだ平均期間内だから大丈夫」
  • 「追加資料が来ていないから問題ないはず」

 

実際には、平均より長くかかるケースもありますし、追加資料の連絡がないまま結果が出るケースもあります。

 

永住申請は特に長期化。追加書類なしで不許可となるケースも

 

今回の資料でも、永住申請については、かなり長い処理期間が示されています。

 

対象 令和8年2月 令和8年3月 目安としての見方
永住者 275.6日 282.0日 おおむね9か月前後

 

永住申請は、もともと審査に時間がかかりやすい手続です。

 

収入、納税、年金、健康保険、在留状況、家族関係、身元保証人など、確認される事項が多いためです。

 

永住申請で特に注意したいこと

実務上気になる点として、永住申請では追加書類の提出を求められることなく不許可となる案件も散見されます。

「追加書類の連絡が来ていないから大丈夫」

「何も言われていないから許可されるだろう」

とは限りません。

 

永住申請では、申請時点でできる限り不安材料を整理し、説明すべき点は最初から丁寧に説明しておくことが重要です。

 

特に、過去に税金・年金・健康保険の未納や遅れがある場合、扶養人数が多い場合、転職や収入変動がある場合などは、事前に慎重な確認が必要です。

 

自分で申請して不許可に。リカバリーは簡単ではありません

 

最近、当事務所では、ご自身で在留資格の申請をしたものの不許可となり、その後に相談に来られる方が増えている印象です。

 

もちろん、ご自身で申請すること自体が悪いわけではありません。

 

在留資格の申請は、本人申請が原則です。必要書類を確認し、きちんと準備すれば、ご自身で進められるケースもあります。

 

しかし、問題は、申請内容に不安があるまま提出してしまった場合です。

 

一度不許可になると、再申請は慎重な対応が必要です

一度不許可になると、その後のリカバリーは簡単ではありません。

不許可理由を正確に把握し、どこに問題があったのかを整理し、再申請でどのように説明・立証するかを検討する必要があります。

単に書類を追加すればよい、理由書を付ければよい、というものではありません。

 

不許可後の相談で多いケース

 

  • 職務内容と学歴、職歴の関連性が弱い
  • 会社の事業実態や安定性の説明が不足している
  • 収入や扶養状況に不安がある
  • 過去の在留状況に問題がある
  • 転職後の仕事内容が在留資格に合っているか不明確
  • 経営・管理ビザで事業計画や事務所要件の説明が不足している
  • 配偶者ビザで婚姻実態の説明が不十分
  • 永住申請で税金、年金、健康保険、収入面の確認が不十分

 

不許可後の再申請では、前回申請との整合性も見られます。

 

そのため、最初の申請でどのような内容を書いたか、どのような資料を提出したかも重要になります。

 

「とりあえず出してみる」という申請は、後から大きな負担になる可能性があります。

 

東京では「特定活動30日」が出るケースにも注意

 

在留資格変更申請や更新申請が不許可となった場合、その後の在留資格として「特定活動」が付与されることがあります。

 

これまでは、東京では不許可後に「特定活動31日(出国準備)」が出るケースが多い印象がありました。

 

この「特定活動31日」は、実務上、再申請の余地が残るケースとして扱われることがあります。

 

一方で、最近は「特定活動30日」が出るケースが増えているように感じます。

 

不許可後の在留資格 実務上の見方 注意点
特定活動31日 再申請の余地が残るケースとして扱われることがある ただし、必ず再申請できるとは限らない
特定活動30日 出国準備の意味合いが強い 原則として再申請が難しいと考えられるケースがある

 

不許可後に「もう一度申請すればよい」とは限りません

不許可になった後に、

「もう一度申請すればよい」

「不許可になってから専門家に相談すれば間に合う」

とは限りません。

不許可後に30日の特定活動が出てしまうと、時間的にも手続的にもかなり厳しい状況になる可能性があります。

 

もちろん、個別事情によって対応可能性は異なります。

 

だからこそ、不許可になってから慌てて対応するのではなく、申請前の段階でリスクを確認しておくことが大切です。

 

技術・人文知識・国際業務はカテゴリーによって審査期間が変わります

 

「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる技人国ビザについても、多くの企業や外国人の方からご相談があります。

 

今回の資料では、令和8年2月許可分の技人国について、在留資格認定証明書交付申請が71.8日、在留期間更新が33.9日、在留資格変更が51.3日とされています。

 

令和8年3月許可分では、認定証明書交付申請が69.7日、在留期間更新が35.0日、在留資格変更が65.1日です。

 

技人国ビザは会社のカテゴリーによって差があります

技人国については、所属機関のカテゴリーによって審査期間の印象がかなり変わります。

一般的には、カテゴリー2以上の企業については比較的早く進むことがあります。

一方で、カテゴリー3・4の企業、新設会社、外国人雇用が初めての会社、職務内容の説明が難しい案件などでは、時間がかかる可能性があります。

 

特に注意したいのは、単に次のような事情だけでは足りないことです。

 

  • 正社員として採用する
  • 大学を卒業している
  • 会社が雇いたいと言っている

 

技人国では、学歴や職歴と職務内容との関連性、会社の安定性、業務量、給与水準、雇用の必要性なども確認されます。

 

そのため、審査期間を短くしたい場合には、申請書類を形式的にそろえるだけではなく、職務内容や採用理由をわかりやすく説明することが大切です。

 

経営・管理は引き続き長期化の印象

 

「経営・管理」については、今回の公表資料でも長い処理期間が示されています。

 

経営・管理 令和8年2月 令和8年3月
在留資格認定証明書交付申請 152.7日 161.6日
在留資格変更許可申請 127.7日 132.8日

 

経営・管理は、会社の実体、事務所、資本金、事業計画、取引先、売上見込み、経営者としての活動内容など、審査されるポイントが多い在留資格です。

 

特に新規事業の場合、事業の実現可能性や継続性について丁寧に説明する必要があります。

 

「会社を作ったからビザが取れる」わけではありません

経営・管理ビザは、会社設立だけで許可されるものではありません。

事業内容や資金計画に不明確な点があると、追加資料の提出を求められたり、審査が長期化したり、不許可リスクが高まったりする可能性があります。

 

更新申請でも油断はできません

 

在留期間更新許可申請は、変更申請や認定証明書交付申請に比べると、比較的早く結果が出ることもあります。

 

しかし、更新だからといって必ず簡単に許可されるわけではありません。

 

たとえば、次のような事情がある場合には注意が必要です。

 

  • 転職している
  • 仕事内容が変わっている
  • 収入が下がっている
  • 扶養家族が増えている
  • 税金や年金、健康保険に未納がある
  • 前回申請時と状況が変わっている
  • 会社の経営状況に不安がある

 

特に就労系の在留資格では、現在の仕事内容が在留資格に合っているかどうかが重要です。

 

前回許可を受けているからといって、今回も当然に許可されるとは限りません。

 

更新申請であっても、不安な事情がある場合には、事前に整理してから申請することをおすすめします。

 

公表データを見るときの注意点

 

今回の資料には、重要な注意書きがあります。

 

公表データに含まれる期間

公表されている日数は、申請の受理から許可に至るまでの期間です。

追加資料の提出を求められた場合には、その資料が提出されるまでの日数も含まれています。

また、不許可処分や申請取下げ等は含まれていません。

 

つまり、公表されている数字は、基本的には「許可された案件」を前提とした数字です。

 

不許可になった案件や、途中で取り下げた案件は含まれていないため、実際に申請を検討する際には、この点も踏まえて見る必要があります。

 

また、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請では、処分日は許可の告知時、つまり入管で許可を受けた日とされています。

 

そのため、審査終了から実際に許可を受けるまでの期間も含まれています。

 

数字を見るときに確認したいポイント

 

  • どの時点までの日数なのか
  • 不許可案件は含まれているのか
  • 全国平均なのか
  • 東京の実務感とどの程度差があるのか
  • 自分の申請内容に不安材料がないか

 

不許可になってからではなく、申請前の確認が重要です

 

在留資格の申請では、「とりあえず自分で出してみる」という判断が、後から大きな負担になることがあります。

 

もちろん、シンプルな案件であれば、ご自身で申請できるケースもあります。

 

しかし、少しでも不安材料がある場合には、申請前に確認することをおすすめします。

 

申請前に相談をおすすめしたいケース

  • 永住申請を考えている
  • 過去に税金、年金、健康保険の未納や遅れがある
  • 転職後の更新申請を予定している
  • 留学から就労ビザへ変更したい
  • 経営・管理ビザを申請したい
  • 配偶者ビザで説明が難しい事情がある
  • 会社として初めて外国人を雇用する
  • 前回申請時と状況が変わっている
  • すでに不許可になってしまった

 

不許可後の対応は、時間も限られます。

 

特に、出国準備を前提とする短い在留期間が付与された場合には、再申請の準備が非常に難しくなることがあります。

 

申請前にリスクを整理し、必要な説明や資料を準備しておくことが、結果的に一番の近道になる場合があります。

 

まとめ:審査期間の平均だけでなく、不許可リスクにも注意しましょう

 

令和8年2月・3月の在留審査処理期間を見ると、在留資格によって審査期間に大きな差があることがわかります。

特に、永住申請や経営・管理、技術・人文知識・国際業務の一部案件では、かなり時間がかかる可能性があります。

また、今回のデータは全国平均です。

東京での申請については、実務上、公表データよりも時間がかかっていると感じる場面もあります。

さらに最近は、ご自身で申請して不許可となり、その後に相談に来られる方も増えています。

不許可後のリカバリーは、簡単ではありません。

場合によっては、再申請の準備時間が十分に取れないこともあります。

平均日数だけを見て判断するのではなく、自分の申請ではどのような点が審査されるのか、どのようなリスクがあるのかを事前に確認しておくことが大切です。

 

【出典】

在留審査処理期間_令和8年2月

在留審査処理期間_令和8年3月


 

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