外国人も空港の自動化ゲートが使える?TTP(トラスティド・トラベラー・プログラム)を分かりやすく解説

こんにちは。
行政書士の秋元です。
海外と日本を行き来することが多い方の中には、
「空港の入国審査でもっとスムーズに通れたらいいのに」
と思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
実は、日本には一定の要件を満たす外国人が空港の自動化ゲートを利用できる、
トラスティド・トラベラー・プログラム(TTP)
という制度があります。
名前だけを見ると少し難しそうですが、簡単にいうと、
日本へ繰り返し短期滞在で来る外国人のうち、一定の要件を満たす方が、事前に登録することで自動化ゲートを利用できる制度です。
今回は、TTPについて、できるだけ簡単にご紹介します。
今回の記事のポイント
- TTPは、一定の外国人が空港の自動化ゲートを利用するための制度
- 誰でも登録できるわけではない
- 登録要件に応じてA~Eのカテゴリーがある
- 申請はオンラインで行い、その後に二次審査がある
- 登録後は「特定登録者カード」を利用する
- 日本へ繰り返し短期滞在で来る方に向いている制度
TTPとは?
TTPは、
Trusted Traveler Program
(トラスティド・トラベラー・プログラム)
の略です。
日本語では、「信頼できる渡航者」のための制度と考えると分かりやすいでしょう。
商用、観光、親族訪問などの目的で日本に短期間滞在する外国人のうち、一定の要件を満たして登録が認められた方には、「特定登録者カード」が交付されます。
このカードを使うことで、対象となる空港の自動化ゲートを利用して出入国手続を行うことができます。
何が便利なの?
一番分かりやすいメリットは、
空港での出入国手続をスムーズにできること
です。
TTPの登録を受けた方は、特定登録者カードを利用して自動化ゲートを使うことができます。
現在、TTPの自動化ゲートは、
- 成田空港
- 羽田空港
- 中部空港
- 関西空港
に設置されています。
ただし、すべてのターミナルに設置されているわけではありません。
実際に利用するときは、利用予定の空港・ターミナルを事前に確認しておくと安心です。
どんな人が利用できる?
TTPは、短期滞在で日本に来る外国人なら誰でも登録できる制度ではありません。
登録要件に応じて、A~Eの5つのカテゴリーが設けられています。
例えば、
- 米国のグローバル・エントリー・プログラム(GEP)の登録者
- 一定の公的機関や企業などに所属する方
- 日本の一定の機関・会社からTTP登録を希望されている方
- 一定の資力・信用に関する要件を満たす方
- TTP登録者の配偶者や一定の子
などが対象になる可能性があります。
また、カテゴリーによっては、過去に日本へ一定回数入国していることなども要件になります。
自分が対象か分からない場合は?
出入国在留管理庁のホームページには「プレチェック」が用意されています。まずは、自分がどのカテゴリーに該当する可能性があるか確認してみると分かりやすいでしょう。
「プラチナカードを持っている人」も対象になる?
TTPのカテゴリーの中には、少し意外な要件もあります。
カテゴリーDでは、
国際ブランドのライセンスが付与された、プラチナランク以上のクレジットカードを保有していること
などを要件とする仕組みがあります。
ただし、法人カードは対象外とされており、入国回数など、ほかの要件もあります。
「プラチナカードを持っている=必ずTTPに登録できる」ということではありません。
申請はどんな流れ?
TTPは、空港で突然、
「今日から自動化ゲートを使いたいです」
と申し出れば利用できる制度ではありません。
事前に登録手続が必要です。
1.まずプレチェック
出入国在留管理庁のTTPページで、自分が登録要件に該当する可能性があるか確認します。
プレチェックでは、該当する可能性のあるカテゴリーや、必要となる資料も確認できます。
プレチェックで要件を満たす可能性があると表示されても、登録が保証されるわけではありません。
2.オンラインで申請
必要な情報や資料を準備して、特定登録者情報システムから申請します。
カテゴリーに応じて、在職証明書や会社関係の資料、クレジットカードに関する資料などが必要になる場合があります。
3.日本で二次審査
一次審査後、日本に入国した際などに指定された登録場所で二次審査を受けます。
二次審査では、資料の確認に加えて、顔写真や指紋の提供などが行われます。
4.「特定登録者カード」が交付
審査の結果、登録が認められると特定登録者カードが交付されます。
カード発行手数料
4,000円
その後は、対象空港の自動化ゲートを利用できるようになります。
TTPは「短期滞在の人向け」の制度です
ここは少し注意しておきたいところです。
TTPは主に、
商用・観光・親族訪問などで、日本へ短期滞在する外国人
を対象とした制度です。
日本で働いている外国人や、日本に中長期間住んでいる外国人については、TTPとは別に自動化ゲートを利用するための仕組みがあります。
「外国人が自動化ゲートを使う制度=すべてTTP」ではありません。
代理人に申請してもらうことはできる?
TTPについては、代理人による申請はできないと案内されています。
例えば、
「取引先の日本企業に全部申請してもらう」
という方法はできません。
TTPは本人が登録手続を行う制度です。
行政書士としても、通常の在留資格申請のように「申請を代理・取次する」というイメージとは少し違います。
指紋の登録が必要です
TTPでは、登録時や自動化ゲート利用時に指紋を使用します。
そのため、指紋の状態によっては、登録ができなかったり、登録後であっても自動化ゲートでうまく照合できなかったりする場合があります。
摩耗や加齢などによって、指紋の登録・照合が難しいケースもあります。
TTPを使うメリット・注意点
TTPのメリットは、とてもシンプルです。
日本へ頻繁に来る方にとって、空港での出入国手続をスムーズにできること。
特に、仕事などで日本と海外を何度も行き来する方にとっては便利な制度です。
一方で、
- 誰でも登録できるわけではない
- 登録要件の確認が必要
- 一次審査・二次審査がある
- 指紋や顔写真の提供が必要
- カード発行には手数料がかかる
- 代理申請はできない
といった点には注意が必要です。
「1回だけ日本へ旅行する方」より、「今後も繰り返し日本へ来る予定がある方」に向いている制度と考えると分かりやすいでしょう。
よくある質問
Q.TTPに登録すれば、日本への入国が必ず認められますか?
A.TTPに登録したことだけで、日本への上陸が保証されるわけではありません。
TTPは、自動化ゲートを利用するための登録制度です。実際の出入国については、入管法上の条件に従って手続が行われます。
Q.家族もTTPを使えますか?
A.一定の家族は対象になる可能性があります。
一定のTTP登録者の配偶者や、未成年かつ未婚の子については、カテゴリーEとして登録対象になる可能性があります。
ただし、父母はカテゴリーEの対象にはなりません。
Q.子どもでも登録できますか?
A.制度上、年齢制限は設けられていません。
ただし、子どもは指紋が十分に安定しておらず、登録や自動化ゲートでの認証ができない場合があります。
Q.登録すれば、どの空港でも自動化ゲートを使えますか?
A.利用できる空港は限られています。
現在は、成田・羽田・中部・関西の4空港が対象です。空港によって利用できるターミナルも異なるため、事前に最新情報をご確認ください。
まとめ|日本へよく来る外国人なら知っておきたい制度
「トラスティド・トラベラー・プログラム」
と聞くと、少し難しそうな制度に感じます。
でも、簡単にまとめると、
一定の要件を満たす、信頼できる短期滞在の外国人が、登録後に空港の自動化ゲートを利用できる制度
です。
誰でも利用できるわけではありませんが、仕事や親族訪問などで何度も日本へ来る方にとっては、知っておいてもよい制度だと思います。
まずは出入国在留管理庁のプレチェックを使って、
「自分は対象になりそうかな?」
と確認してみるところから始めると分かりやすいでしょう。
空港で長い列に並ぶたびに、
「もう少しスムーズにならないかな……」
と思っていた方。
もしかすると、TTPという選択肢があるかもしれません。
外国人の日本への入国や在留資格でお困りではありませんか?
「この場合、どの在留資格が必要?」
「海外にいる家族を日本へ呼びたい」
「外国人社員を日本へ招へいしたい」
このような疑問がある方は、お気軽にご相談ください。
在留資格・外国人雇用・各種許認可でお困りの方は、エール行政書士法務事務所までお気軽にご相談ください。
状況に応じて、必要な手続や注意点を丁寧にご案内いたします。
出典・参考:
出入国在留管理庁「トラスティド・トラベラー・プログラム(TTP)」
https://www.moj.go.jp/isa/immigration/procedures/ttp2_index.html
出入国在留管理庁「トラスティド・トラベラー・プログラムの概要」
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/ttp2_outline_index.html
出入国在留管理庁「TTPカテゴリー、疎明資料一覧」
https://www.moj.go.jp/isa/immigration/procedures/ttp2_pre-check_pre-check_document.html
出入国在留管理庁「トラスティド・トラベラー・プログラム よくある質問」
https://www.moj.go.jp/isa/immigration/procedures/ttp2_q_a_faq_a_ja.html
※TTPの登録要件、必要書類、手数料、利用できる空港・ターミナル等は変更される可能性があります。実際に利用する際には、出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。