【難民認定制度】麻布中学校入試の「難民問題」について
こんにちは。申請取次行政書士の秋元です。
2月といえば、入試のシーズンですね。
ただでさえ緊張する場面でコロナ感染にも気を遣い、大変な思いをされている受験生のことを思うと、皆さんが精いっぱい力を出し切れるよう祈るしかありません。
ネットでは、名門麻布中学校の今年の入試問題が話題となっています。
とても興味深いので、今回ブログでも取り上げてみたいと思います。
《記事の一部抜粋》
話題になったのは、2月1日に実施された麻布中学入試の「社会」の問題だ。
労働者不足を背景に、国際貢献の名目で外国人労働者の受け入れが広まったものの、短期の低賃金労働の実態があったこと。
また、難民申請して保護をもとめた外国人にも困難な状況が続いていること。
問題を通じて、そのような説明がされた。
なかでも、特に注目されたのは、日本における難民審査できかれる質問内容を示したうえで、
「日本政府がこのような質問をすることは、難民を保護するという点から見たときにどのような問題があると考えられますか」との問い(自由記述)だ。
『このような質問』として、
「あなたは、あなたの国に敵対する組織に属したり、敵対する意見を表明したりすることはありますか」などが例示されている。
麻布中入試の「難民問題」が反響、大人も舌を巻くほど「すごい」「入管職員も受けてみて」 – 弁護士ドットコム (bengo4.com)
さて、この問題に答えられる大人がどれくらいるのでしょうか?
そして小学6年生がどんな回答をしているのか、とても興味があります。
日本の2020年の難民認定数は47名でした(一次審査・審査請求の合計)。
認定率は0.4%!
各国の置かれた状況は違うため単純比較はできませんが、世界でも極めて少ない認定数であることは事実です。
原因としては、日本が難民の受け入れに積極的にではないという意見や難民認定の実務を法務省出入国在留管理庁が担っているため、難民を「保護する」より「管理する」という視点が強いのではないかという意見があります。
私は、入管業務を行っていることもあり《難民》という言葉が比較的身近にありますが、通常はなかなか意識することがないのではないかと思います。
今年の入試で《難民》についてとりあげた問題が出題されたというニュースを見て、驚きと共に、多様性を柔軟に受け入れ、自由な発想で物事を考えられるこどもたちが増えていくのではないかと嬉しい気持ちになりました。
それはきっと、日本にとって大きな財産になるに違いありません。
そして、そんなこどもたちをわたしたち大人も見習っていかなくてはならないと思います。
最後に、今の心境にピッタリなアドラーの言葉をご紹介します。
《若者は大人よりも前を歩いている》
令和2年における難民認定者数等について | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)